Edwardian Style

エドワーディアン・スタイル(1901~1918年)

1901~1918年、国王エドワードⅦ世(1901~1910年)の時代の建築スタイルです。

ヴィクトリアン・スタイルと同様に、多様な折衷(ミックス)スタイルの時代でしたが、近代への推移で比較的シンプルなデザインになってきています。

同時に古典主義の影響やアーツ&クラフツの影響も受けた特徴が見られ、キーアイテムとして挙げられるのは、ステンドグラスのドアやクイーン・アンで流行ったシェル(貝殻)形の玄関ポーチ屋根、Fretwork(フレットワーク)と呼ばれる日本の欄間のような装飾材、ブリックによる半円形のアーチの玄関ポーチ、そして窓には上半分だけ格子やステンドグラスを入れるデザインなどが流行しました。

典型的な外観デザインの特徴は、デタッチド・ハウス(一戸建て)やセミ・デタッチド・ハウス(二戸建て一軒家)の場合は、張り出した三角形の妻壁の下に1、2階つながった出窓がくっついたデザインです。妻壁部分の装飾にはブリック、引っ掛け瓦、付け梁の3パターンが多く見られます。

また、ロンドン市内で多く見られるテラスドハウス(長屋)の場合は、クイーン・アンの特徴でもあった赤いブリックに白い縁取りやラインでコントラストをつけ、頂部にデザイン性のある妻壁が屋根を隠すように立ち上がるオランダ式妻壁「Dutch Gable(ダッチ・ゲーブル)」が好まれ、鮮やかで上品な街並みを完成させました。

インテリアもミックススタイルで、ジョージアン・スタイルやヴィクトリアン・スタイルの特徴も混在しつつ、色使いではこれまでにない明るいペール・カラーが使用されました。またこの頃から Sitting Room (シッティング・ルーム)から庭へ出られるようフレンチ・パティオ・ドア(ガラス入り開き戸)が取り入れられ、明るさと居心地の良さ、そして裏庭への開放感を重要視した空間が作られました。マントルピースはアーツ&クラフツを感じるデザインに、棚を付けたりガラス入り戸棚を付けたり、造り付けの椅子を付けたりと凝ったデザインも登場しました。

壁紙はウィリアム・モリス柄や、花柄、ストライプ柄が人気でした。