英国住宅が出来るまで
〜新築リポートPart11〜 |
第14回「内装工事」 |
内部の塗装工事、壁紙工事がほぼ終了した頃、Y様が現場にいらっしゃいました。
「いや〜、いい色だ!!」
ペンキでは、ダイニング・キッチンの壁にお選びになったベージュ色が特にお気に入りとのこと。
白でも黄色でも出せなかったであろう優しい雰囲気が本当に良く出ています。
初体験の塗装壁の質感にも感激されていらっしゃいました。
リビング、パウダールーム、ゲストルームの写真をほんのちょっとご紹介です。
ウィリアムモリスの大胆な柄の壁紙も、実際に貼るとこんなに馴染んで素敵です。
各お部屋の写真は後日たっぷりと公開致しますので、どうぞお楽しみに!
Y様のコメント
「壁紙と塗装のこと」
壁紙とペイントの選定は「大人の塗り絵」の世界に似ています。
決して豊かとは言えない想像力をありったけ膨らませ、それぞれの空間の雰囲気、隣接する色同士のマッチングを考え、サンプル帳とにらめっこで選んだ色や柄が「壁」というキャンバスの上に展開されるのですから、緊張感はいやが上にも高まろうというものです。
考えに考え、迷いに迷い、しまいにゃ「えーい、ままよ」とばかりコッツさんに提出した選択の結果が白日のもとに晒されるのであります。
白無垢のコテージ女王様(あれ?今度は女王の番なの?大王と担当が違うんだ)が目いっぱいお色直しをして、色物や柄物を身に纏ってご披露に臨まれるのです。
緊張しない人はいませんよねー?
エッ、いらっしゃいました?・・・あんたはエラ過ぎ!
さて、審判の日がやってきました。
胸ときめかせ眼を瞑って玄関から家の中に入ります。
せーの、で眼を開きます。
そこに拡がる世界は・・・・・?
まずダイニング。
コントラストの微妙さが心配だった壁の淡いベージュのペイントと腰壁のオフホワイト。
思い切って選んでみたキャビネットのダークグリーン。
同色に塗装した特注のテーブルカウンターとイングリッシュオークの床のダークブラウン。
うひゃー、何て素敵なの!?
ダイニングにつづくリビング。
モリスのクロスのジャスミン柄に腰壁のオフホワイト。
ジャスミンの色に合わせたキャビネットの明るいグリーン。
ああ・・・ため息が出ちゃうなー!
控えめにしたシャンデリアもばっちり合っているぞ。
はやる心を抑えて各部屋を廻ります。
・・・うっうっ、想像以上の出来じゃないか!
大胆にしてみて正解だったんだ。
ゲストルームのウィンドラッシュの柄には惚れたぜ。
トイレだって出たくなくなっちゃう(何が?)くらいいいぞ。
私
「おそれながら女王様、何処をとりましてもたいへんにお美しく、お似合いであらせられます。全体のバランスも素晴らしくていらっしゃいますよ。」
女王
「わらわも気に入りました。Yよ、大儀であったの。」
私
「ははーっ、有り難きおことば(うるうる)。大王様にもよしなにお伝えの程を・・・」
ひとしきりうっとりと眺めたあと、冷静になって見直してみました。
まずペンキ仕上げ。
ペンキというと私みたいな古い人間は、なんとなく安っぽいペカペカの雰囲気を想像してしまいます。
しかしです、ここのペンキ仕上げは実に美しいのでありますよ。
しっとりとした絹のような肌触り・・・。思わず愛撫したくなります。
伺うところによると、ペンキ仕上げというものはペンキの質ではなくて職人さんの腕ひとつなんですって!・・・・・うーむ。
驚くべきは屋根裏。
ふつうなら手を抜いても当然のこの壁の指定色の黄色を再現するのに、職人さんは4回塗り重ねたそうです。 感動だ!
つぎに壁紙。
これは本物の紙の壁紙です。
壁紙というと昨今はビニルクロスが全盛です。
ところがここはすべてイギリス製の「紙の壁紙」なのでありますよ。
何故って、コッツさんが当たり前のことのように素敵なイギリス製の見本帳を持ってきたからなんです。
ビニルクロスと違って何ともいえない味と風格が漂っています。
紙はビニルに比べて貼りにくいこと夥しい。
ましてや、私が選んだものは柄合わせが難しそうなものばかりときています。
職人さん泣かせもいいとこ。
しかし、職人さんは(たぶん泣く泣く)見事に貼ってくださいました。
どこが継ぎ目だかまったくわからない。
まさに名人技。・・・・・うーむ。
お気に入りのトイレのゴールデンリリー柄の壁には思わず頬ずりしてしまいました。
なに?あなたもトイレの壁に頬ずりしたですと? あなたは変わったお方だ。
塗装といい壁紙といい、こういう素晴らしいお仕事はじつに気持ちがいいものですな。
なにかこう気分が高揚してきますな。
鍛え上げられた職人技が健在なのを知って、ものつくりのハシクレである私はすっかり嬉しくなり、満足感に浸りつつ去りがたい現場をあとにしたのでした。
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コテージ大王様に続いて、女王様にまで登場戴き感激です!
また、壁紙には、頬ずりされるほどご満足戴けて、これまた嬉しいです♪
職人さんたちの細かく丁寧なお仕事ぶりにも、いつもとても良く気づいて下さり、本当に有難うございます!
「紙の壁紙」の素晴らしいのは、紙独特の質感のおかげで、一見派手かな?と思う色や柄のものでも、とても優しいイメージになってしまう点です。
さらにそこへ、イギリス特有のスモーキーな色使いが加わると、その効果も一層高まって、うっとりするほどの、落ち着きと癒し効果を発揮してくれます。
苦労された職人さんも、貼り上がりの姿にはきっと喜んで下さったと思います!
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